片頭痛は低気圧などの気候の変化や疲労、ストレスなどの影響で、脳の血管が異常拡張することで痛みが発生するといわれています。また、脳内物質セロトニンの増減に関わって起こるという説も有力です。
緊張やストレスによって脳内にセロトニンが増加すると脳の血管は収縮しますが、緊張から解放されてリラックスするとセロトニンは減少し、それにつれて脳内の血管が拡張します。この際に周囲の神経に炎症を起こしたり、血管が異常拡張したりすることで、片頭痛が起こります。
片頭痛では、ズキンズキンと脈打つような痛みが周期的に現れます。男性より女性に多い傾向があり、学校帰りや会社帰り、休日などの緊張から解放されるタイミングで痛みが発生する場合が多いようですが、朝起きた瞬間から痛みに悩まされるケースも。また、季節の変わり目や急激な気圧変化、盛夏の強い日差しなどをきっかけとして起こることもあります。
痛みの前兆として視野の一部が欠けたり、ギザギザした模様が見えたりする閃輝暗点が現れることもあり、ひどい頭痛に嘔吐が伴うこともあります。音やにおいに過敏になるという症状が出る人もいるようです。10代からの比較的若い世代に多い頭痛で、痛みの発生は月に一度程度の人から頻回な人までさまざまです。
治療としては、血管の拡張を防ぐ、あるいは拡張した血管を収縮させる働きを持つ薬を処方するのが一般的です。予防として血管の拡張を防ぐ薬を処方することもあります。また、チョコレートやチーズ、赤ワインなど、痛みを誘発する可能性がある食品を摂取しすぎないように心がけることも大切です。